フッ素とMIペースト 2021/05/30

こんにちは。

当院ではお子さまの定期健診時に、フッ素かMIペーストのいづれかをご希望により塗布しています(フッ素は1,000円、MIペーストは無料)。その違いについて、今回お話しします。

 

<フッ素の効果>

① 歯質が強化され、酸に強い虫歯になりにくい歯にします。

 *フッ素が歯に作用すると、歯質はフルオロアパタイトという、非常に安定した結晶構造を持つようになります。

 

② 脱灰によって溶け出した歯の成分(カルシウムやリン)を歯に戻してくれる作用(=再石灰化)があります。再石灰化を促進することにより、初期虫歯を治すこともあります。

 

*食べ物を摂取するたびに、お口の中では「脱灰(カルシウムやリンが歯の表面から溶け出すこと)」と「再石灰化(唾液中の成分のカルシウムやリンが、歯の表面に戻る(補充される)こと)」が繰り返されます。このバランスが崩れ、脱灰に傾くとむし歯になります(再石灰化が追いつかない)。

 

③ むし歯の原因菌の活動を抑えて酸を作りにくくし、「脱灰」を抑制します。

 

最近のほとんどの歯磨き粉には、フッ素が配合されています。ご家庭での毎日の歯磨きに加え、定期的に歯科医院でフッ素を歯に直接塗布することをお勧めします。

 

<MIペーストの効果>

歯磨き粉のような外見ですが、歯磨き粉ではありません。歯磨きをした後に歯に塗るペーストです。

 

① 歯の成分であるカルシウムやリンといった、ミネラルが豊富に含まれています。唾液にも含まれていますが、さらに補給して効果的に歯の再石灰化を促進してあげることができます。

 

② CPP-ACP(リカルデント)という成分が含まれており、酸性に傾いた口腔内を中性に戻す効果(=中性作用)と、酸性になりにくい状態を維持する効果(=緩衝作用)があります。

 

MIペーストは、ご家庭で毎日の歯磨きの後に使用することが効果的です。当院でも販売しておりますので、ぜひご家庭で使われてみてはいかがでしょうか。(乳製品アレルギーの方はご使用できません)

 

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